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hacogaki

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米澤穂信のおすすめ小説5選|日常の謎から本格派ミステリーまでネタバレなしで紹介する

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  • 一部修正・更新しました(2017.1.10)

基本的に小説は文庫本で読むタイプで、どれだけ気になった作品があっても2~3年と文庫化するのを待つ人間なんだけれど、米澤穂信の作品に限っては単行本の購入を厭わない。
現に『満願』は僕が初めて買ったハードカバーの小説で、以降の『王とサーカス』『真実の10メートル手前』も文庫化が待ち切れずに購入している。

そこで今回は米澤穂信作品の中から、特におすすめしたい小説を5作品ピックアップ。
ライトなミステリーから、後味の悪いダークなミステリー、ハイレベルの本格派ミステリーまで、僕が独断で選び抜いた珠玉の作品を是非とも手にとって米澤ワールドを堪能してほしい。

※もちろんネタバレなしです

氷菓(古典部シリーズ)

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!

米澤穂信、まずはコレ

米澤作品に触れたことのない人にまず勧めるなら、やっぱり日常の謎を扱った「青春ミステリ」作品になる。 本作は同名タイトルでアニメ化もされた『古典部シリーズ』の第1作目。

もともとライトノベルとして刊行されたのと、著者のもつ軽やかな文体もあって、非常に読みやすくサクサクページを進められる。 主人公が不本意ながらに謎を解き明かしていく場面も見物だけれど、個性あるキャラクターたちの掛け合いや言動も読者を楽しませる。

あくまで一般の高校生が「日常の謎」を紐解いていく話なので、人が死んだり、殺されたりすることはない。 そういう意味では、肩の力を抜いて楽しめるミステリー作品。

ちなみに原作を読んだうえでアニメを観ると、いかに丁寧に作られているかが分かる。京アニいい仕事した。

同シリーズは現在6作刊行されており、中でも一番のおすすめは第4作目の『遠回りする雛』。

<古典部シリーズ一覧(上から刊行順)>

春期限定いちごタルト事件(小市民シリーズ)

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?

小市民、謎を解く

『古典部シリーズ』同様、日常の謎を扱った青春ミステリ『小市民シリーズ』の第一作目。

本作は5つの物語を収録した連作短編集となっており、どの話も心地よく読み進められるライトなミステリーに仕上がっている。
一見無関係なエピソードが実は繋がりをもっていたりするので、短編の姿をした長編と言っていいかもしれない。

小市民シリーズはなんといってもキャラクター造詣が素晴らしい。
ていうか小佐内さんがかわいすぎてやばい。
古典部シリーズにはない「癒し」と「甘味」を含んだ青春ミステリー。普段本を読まない女性にもおすすめしたい。

この『小市民シリーズ』は第二作目の「夏季限定トロピカルパフェ事件」からその真価を発揮したと思っている。
「春季限定~」を読んだら、そのまま是非「夏季限定~」も手にとってほしい。

<小市民シリーズ一覧(上から刊行順)>

さよなら妖精

1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるやって来た少女、マーヤ。謎を解く鍵は記憶の中に…。余韻あふれる出会いと祈りの物語。

ボーイ・ミーツ・ガール・ミステリー

平凡な日々を送っていた高校生の前に突然現れた異国の少女マーヤ。
ミステリーの要素も多分にあるけれど、本作はどちらかというとボーイ・ミーツ・ガールの青春小説という印象が強い。

物語の前半は、著者お得意の日常の謎を紐解いていく。文化の異なる少女の独自の視点から切り出される些細な謎は、さきに紹介した両シリーズにはない面白みがある。
そして物語の後半、マーヤは帰国のために主人公たちと別れることになるが、その異国の少女が「いったいどこに帰ったのか」というのがこの物語の最大の謎となっている。

切なくも現実的なラストが読者の胸を打つ。一読の価値ありです。

ちなみに本作に登場する太刀洗万智を主役とした作品『王とサーカス』も傑作です。
本作との直接的な繋がりはないので独立した物語として楽しめます。

ボトルネック

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

痛くて、苦い、青春小説

古典部シリーズの次に僕が手に取った米澤作品であり、衝撃的だった作品でもある。

「自分が存在しない世界」に迷いこんでしまった主人公。
そこでは生まれるはずのなかった姉がいて、亡くなった恋人は生存しており、仲違いしていた両親は仲良く2人で週末旅行を楽しんでいて……。

自分が存在しない世界で、様々な人や出来事に触れていき、やがて主人公はある真相に辿り着く。

『ボトルネック』というタイトルの意味、ラストの母からのメール。
読み終えた後に強烈な苦みが残るダークな青春ミステリ。
好き嫌いは別れる作品だけれど、僕は大好き。

満願

人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。

珠玉のミステリー短編集

「このミステリーがすごい!2015年版」「ミステリが読みたい!2015年版 国内編」「週刊文春ミステリーベスト10 2014 国内部門」と異例のミステリー3冠を達成した本作。
手にとって読んでみると、なるほどその輝かしい受賞歴にも納得の完成度。

本作は6つの物語からなる短編集で、どの話も非常に丁寧に創りこまれている。 軽い文体でありながら、物語一つひとつにグッと引き込ませる描写力は流石の一言。
全ての作品が決して心地よい終わり方ではないけれど、なんとも言い表せない独特の読後感を味わえます。

ミステリー好きなら誰もが楽しめる、粒ぞろいの作品集。
米澤ワールドを堪能したい方は是非。

まとめ

以上、米澤穂信のおすすめ小説5選でした!

少しでも気になった作品があったのなら是非手にとって読んでみてください。

ではでは。